塀や門周りにおすすめのエクステリアとは
エクステリア造りで覚えておきたい!ブロック塀とフェンスの施工

エクステリアメーカーのカタログを見ると、門扉やフェンスが多く掲載されています。しかし、実はメーカーのカタログに載っている物だけがエクステリアに必要な要素ではありません。載っていない物も多く、ブロック塀がその内の代表例の1つです。
確かにエクステリアのカタログにはフェンスは載っていますが、塀は載っていません。塀は「あって当然」の様な雰囲気にさえ思えるかも知れません。
しかし、ブロック塀は非常に大切であり、しかも、それほど単純な物ではありません。フェンスを建てるにしても、そこには様々な条件があるのです。
そこで、ここではブロック塀とフェンスの施工について、必要な条件なども交えて解説したいと思います。
庭まわりのエクステリアの役割
ブロック塀とフェンスの施工の前に、庭まわりのエクステリアの役割について復習してみましょう。
敷地の囲いとして
エクステリアの大きな役割の1つに、敷地を囲う目的があります。敷地は何らかの囲いが無ければ境界が分からず、ケースによってはトラブルにも繫がり得るからです。
しかし、外構部分を塀やフェンスなどのエクステリアで囲うのであれば、敷地がどこまでかが分かるので、トラブルは起きにくくなります。
デザイン性のアップ
家の敷地まわりは何も無いと殺風景になり、潤いまで無くなってしまうでしょう。しかし、フェンスや植栽で飾るのであれば、デザイン性もアップし、雰囲気も良くなります。
今ではフェンスなどの種類も増え、様々な表情を作ることが可能となっています。単に装うだけでなく、個性の表現も可能となっているのです。
防犯のために
敷地まわりに囲いが無いと、窃盗犯などに狙われるリスクが上がります。
しかし、塀とフェンスで囲うのであれば、簡単には侵入出来ないので窃盗犯に対する抑止力となり、防犯性の面で有効なのです。
エクステリアの安全性確保に必要な条件
ところで、エクステリアには前述の様な役割があるのですが、それの前提とも言える大切な条件があります。それは「安全性」です。
それでは、エクステリアの安全確保には、どの様な条件が必要なのでしょうか。
強度の重要性
エクステリアにおいて、強度は最も重要な条件と言っても過言ではありません。
フェンスにしてもブロック塀にしても、強度が十分で無い場合には破壊や倒壊に繋がるからです。
そのために、部材には強度確保のための工夫がされます。例えば、アルミの目隠しフェンスの大きなサイズの施工例を見てみると、柱を増やすなど補強が取られることも。製品の強度は非常に重要なのです。
人が乗りにくい形状
エクステリアのデザイン性は非常に重要なのですが、それは安全性を確保した上での話。安全性を無視したデザインは好ましくはありません。そのため、「人が乗りにくい形状」とすることは非常に大切なのです。
例えば、ウッドデッキのフェンスを子供が上りやすい形状にするのは良くありません。仮に斜め格子のラチスを隙間の大きく開いた横格子にしてしまうと、子供の足掛かりになり、子供が落下するリスクも出て来ます。エクステリアのデザインには安全性が求められるのです。
転落防止
エクステリアの製品には、転落防止のために使用される物があります。フェンスはその代表格で、時としてフェンスは崖の様な高い位置に設置されます。この場合の主な目的は転落防止です。
そのため、この場合には人が上りにくい形状と、仮に上った場合の倒壊防止のための強度が必要です。また、格子のフェンスとする場合、格子の間から子供がすり抜けてもいけません。そのため、格子の隙間の寸法も決められて安全対策とされます。
ブロック塀の構造とは
では、ブロック塀の構造はどの様になっているのでしょうか。
使用するブロック
塀に使用するコンクリートブロックには規格があります。ですから何でも使って良い訳ではありません。仮に適切なブロックを選ばないと、塀の強度に影響が出て来ます。
コンクリートブロックには寸法や強度がJISにより定められています。規格品を選ぶことが必要です。
基礎について
ブロック塀は布基礎を築く必要があります。仮に基礎がしっかりしていないと、塀そのものが倒れるリスクも増えるからです。
基礎はブロック塀を支える上で非常に大切。適切な構造と寸法、そして材料を使って築かれなければなりません。
塀内部の鉄筋
ブロック塀の中は、単にモルタルを詰めるだけでは無く、鉄筋を入れなければなりません。鉄筋が入らないと、塀そのものが破損してしまいます。
塀の維持には鉄筋は重要なのです。
フェンスと塀の施工
ここではフェンスと塀の施工について紹介します。
基礎工事
ブロック塀には基礎が必要です。ですから庭のまわりに布基礎を回さなければなりません。
布基礎は地面を掘ってコンクリートと鉄筋で構成します。破壊や倒壊を防ぐためには、素材の種類に気を付けるだけでなく形状も重要です。
ブロック塀工事
ブロック塀はコンクリートブロックとモルタル、そして鉄筋を使って施工します。
ただし、ブロック塀にも積んで良い段数や、塀を補強する控え壁に関する規定もありますので、最初の段階で、どの様な配置にするかをしっかりと決めなければなりません。
フェンスの施工
住宅用のフェンスの場合、種類は基本的にはアルミかスチール、そしてウッド素材となります。
施工方法は、コンクリートブロックの穴に柱を建て、その柱にフェンスを張ります。フェンスはボルトやビスで固定されるので、強度は十分です。
DIYの工事でどこまで作れるか
ここで、ブロック塀とフェンスの工事のDIYについて解説したいと思います。
DIYではハードルが高い
エクステリアは多くの部材がボルトやビスで構成されるため、DIYで施工可能な物が多いです。エクステリアについてネットなどで調べてみると、取付説明書を見つけることが出来ますが、アルミの製品であれば、施工が比較的容易に見えます。
しかし、これはフェンスの取り付けに限ったことであり、ブロック塀に関してはそうではありません。ブロック塀のDIY施工は簡単ではありません。
と言うのも、ブロック塀はしっかりとした基礎を作らなければならず、コンクリート工事は鉄筋工事など、DIYでの域を超えている物も多いからです。
基本的にはエクステリア業者の仕事と捉え、プロと相談しましょう。
必要な主な工事の種類
庭まわりにブロック塀を施工する場合、工事の種類だけ見ると意外に少なく思えるかも知れません。しかし、工事に掛かる労力を考えるとDIYで済ませられるレベルでは無いことが分かります。
例えば、布基礎を作る場合、基礎が薄く見えるので、コンクリートの施工も簡単に思えるかも知れません。しかし、使用するコンクリートの量を実際に計算すると相当な量になり、人力で練るレベルを超えてしまいます。
専門的知識が必要
ブロック塀には様々な法的な規定があり、実際に施工する場合には、それらの条件をクリアしなければなりません。これはもはや専門的な知識のレベルと言えます。
仮に、知識の無いままで工事して倒壊し、人身事故にまで及んだ場合には、非常に厳しい社会的制裁が待っていることを覚えておくべきでしょう。
フェンスは耐風圧などの考慮も必要となる
エクステリアには強度が重要であることは前述の通りですが、フェンスの施工をする場合には、耐風圧などの考慮も重要。風の問題は特に目隠しタイプのフェンスで重要となり、柱の本数を増やす必要な場合もあります。
また、強風時にはフェンス下のブロック塀部分にまで影響が出るので、塀も併せて強度を確認しなければなりません。
これは時には耐風圧を強度計算する必要も発生するので、やはりDIYの域を超えます。
まとめ
エクステリアにはブロック塀が必要ですが、ブロック塀には意外な程に条件があることが分かったことと思います。また、ブロック塀の重要な点などについてもイメージ出来たことでしょう。
エクステリアにおいて、ブロック塀は重要です。それだけに、しっかりと造らなければならないことを覚えておきましょう。